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グリーフケアをするにあたって知っておくこと

「グリーフケア」の基本的な考え方は、悲嘆の表現として現れる様々な感情や行動などを、正常なものとして、共に受けとめることです。つい、我々はそれらを良くないことだと説得したり、悲しまないように励ましたりしてしまいがちです。しかし、そういったことで悲嘆を取り除いたり、解決したりすることはできません。

悲嘆の感情を認め、それを表現し、共に受けとめる。
日本の社会環境は、悲しみを充分に表現することを良しとしていません。特に、大人の男性には、悲しみを見せないことが望まれています。周囲の人間も悲しまないように慰めたり励ましたりし、なかなか悲しみを表現するようにはサポートしません。
不用意な勇気付けは、病的なプロセスに陥らせることがあります。
悲しんでいる遺族を前にすると、自分がその悲しみを分かち合うつらさから逃れたいと思うために、つい、励ましの言葉をかけてしまいます。
頭で合理的に考えて、感情を抑えようとしても無理です。感情を抑えることは逆効果になります。
悲嘆の様々な感情を正常なものとして認め、それを表現し、共に受けとめることが必要です。
共に受けとめることの基本は、ただ遺族の感情や行動を認めながら話を聞いてあげることです。側にいるだけで、肩に手を置くなどのボディタッチだけでも、不安やショックを分かち合う姿勢を見せることで、それを和らげることができます。
「お気持ちは良く分かります」と言えば、「分かるはずないだろう」と反発されます。遺族の悲嘆を完全に共有したり、理解することはできません。
「さぞかしおつらいでしょうね」という言葉。これは悲嘆を認めて、受けとめることができるでしょう。
少しづつでも、故人の死の悲しみを受けとめる。
悲嘆は数年続くことがありますから、「いつまでも嘆いていてはダメだ」と叱咤することは好ましくありません。
遺族が充分に悲嘆しきっていない段階であるのに、新たなことに気を向けさせることも逆効果です。
本人が故人にこだわっている場合、無理に忘れさせたり、故人のことに触れないようにするよりも、故人の思い出などで慰めることの方が効果的です。
死別の事実を認め、「○○さんが亡くなって残念です」と率直に言うことも良いでしょう。
いくら頭ではおかしいと理解していても、他人に怒りを向けたり、自責の念を感じてしまいます。これを一方的におかしいと責めるのは逆効果です。そう感じることは自然だと受けとめさせることで、やがてそういった感情は薄れていきます。
悲嘆の感情表現をあまりしない人は、立ち直っていると考えるのは早急です。悲嘆を充分に表現できない人の方が、大きな悲嘆、大きな問題を抱えている場合があります。
そのような人の場合は、悲嘆を表現できるようにサポートしましょう。
悲嘆が大きくて受けとめることが辛い場合、故人のことを喋りたくない、思い出したくないと思います。ですから、無理矢理聞き出すことは避けましょう。
しかし、いつまでも避けていると、「グリーフワーク」は進みません。少しづつでも、故人の死の悲しみを受けとめるようにしましょう。
故人のことを思い出すことが辛い時期には、故人の思い出の品を処分したり、あるいは引越しをしたくなることは良くあります。
ですが、故人の思い出は、後に大切なものとすることができますので、一時の感情で処分や引越しをしないように勧めましょう。
様々な感情が強すぎる時には、アルコールや精神安定剤なども助けになります。ですが、これらは悲嘆を受けとめ、それを表現することの妨げになることもあります。あまり依存しすぎると、「グリーフワーク」を進むことができなくなります。
悲嘆を表現する方法
悲嘆を表現する方法としては、詩を書くとか、故人に対して手紙を書いてみるといったことも効果的です。
また、「グリーフケア」を目的とした専門の会などに参加することもできます。利害関係のない第三者の、専門家やグリーフワークの経験者に話を聞いてもらうことは、とても効果的です。
病気による死別などの場合、遺族の悲嘆は死別の前に始まります。
この場合も、家族の悲しみなどの感情の表現を、正常なものとして受けとめる必要があります。そして、死別までにすべきことを冷静に考えて、悔いを残さないようにアドバイスする必要があります。
「グリーフケア」を行う人間は、遺族から様々な感情を向けられることがあります。怒りが向けられることもありますし、反対に、特別信頼できる人間のように頼られることもあります。
こういった感情には左右されないようにする必要があります。例えば、「私にはお怒りのように見えますが」と言って、遺族にそのことを気づかせるのがよいでしょう。
「グリーフケア」を行う人は、遺族の悲しみに共感する必要があります。これは遺族同様に悲しく、つらい作業ですから、大きなストレスを受けます。特に、親族の死別を経験したことのある人の場合はそうです。
ですから、「グリーフケア」を行う側の人間にも、疲労感、無力感、憂鬱、不眠など、遺族同様の症状が現れることがあります。
あまり無理をしないようにし、自分自身に対しても、同様のケアを行う必要があります。つまり、自分自身のストレス、感情を受けとめる必要があるのです。
葬典社では、ご家族の温かい心をかたちににするために、
心よりお手伝いさせていただきます。
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